著者 平山謙(入江ゼミ在籍)
発行日 2021年7月27日
制作 信濃毎日新聞社出版部
印刷 (株)シナノパブリッシングプレス
定価 2750円(税込)
発行所 HuRP出版
発行日 2021/5/28
定価 1760円(税込)
この写真集は、小倉隆人さんの写真活動、50年の集大成です。彼は19歳のとき、ドキュメント写真家を目指し、徳島から上京。「自分の写真とは何か」を問い続け、とにかく撮り続けることしかなかったといいます。
この本に収められている「ヨコスカ」「工業地帯(川崎)」「足尾」「東京湾」のテーマは、ある意味その時代の負の部分ですが、小倉さんはそれを強調したり、告発調に陥るのではなく、身体的、精神的に少し距離を置き、淡々と対象に寄り添うように撮影しています。
例えば「工業地帯」では、工業化で窮屈になっていく人々の暮らしぶりにカメラを向けていきますが、その眼差しはやさしいものです。それは、そこに生きている人々に、小倉さんが自分の姿を重ねていたのかも知れません。「写真とは、自分が生きている時代と同化したものでありたい」という彼の考えが、強く意識されたものでしょう。
250ページに及ぶこの写真集は、ページ数、内容ともに、見応えのあるものとなっています。
金井紀光
著者 古屋行男
発行日 2021年1月30日発行
発行所 現代写真研究所出版局
編集・構成 金瀬胖
デザイン 富樫茂美
定価 2,800円+税
集落の人々は助け合い、傣族暦に合わせて稲田へ水を引き、畔道を整えて田植をします。家族全員で田畑を耕し、収穫したら天地の神々と祖先に感謝する儀礼、自然と共存する暮らしです。家族の温かい絆、集落の人と人が関係し支え合いながらの、本当に人間らしい暮らしは、私が暮らした古里のおもかげと重なり、懐かしく感じます。いま雲南省内の少数民族は中華人民共和国の開放政策により、平等な教育を行うとして、漢字による教育が進められ、民族の言葉や、文字が失われつつありますが、自然と共に暮らしてきた伝統の暮らしと作り上げてきた風土、民族の誇り高い文化も大切なことと思います。古屋行男